オンプレミスからAWSのクラウド環境への移行を考える
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AWSへの移行入門、オンプレミスからクラウドへの移行手順【4】 活用したいAWSの移行サービス・ツール

AWSのクラウド環境への移行で必要な考え方、事前準備や移行時の注意点などをお伝えする「AWSへの移行入門、オンプレミスからクラウドへの移行手順」の連載です。
前回の「移行本番の切り替え」では移行の本番で必要な手順やTIPSについて触れました。最終回の今回は「活用したいAWSの移行サービス・ツール」に触れていきます。

連載「AWSへの移行入門、オンプレミスからクラウドへの移行手順」

【1】 AWSの特長と移行準備
【2】 計画と実行 (前編)
【2】 計画と実行 (後編)
【3】 移行本番の切り替え
▶【4】 活用したいAWSの移行サービス・ツール

オンプレミスからAWSへの移行時に活用したいサービスとツール

ここではオンプレミス環境からAWSへの移行を行う場合に活用したいAWSのサービスをいくつかご紹介いたします。

仮想マシンの移行

VM Import/Export

VM Import/Exportを使うとオンプレミスの仮想マシンイメージをEC2に移行することができます。移行に際して大きな変更を加える必要が無い点は魅力的ですが、利用できる仮想化ソフトウェアやOSは限定されていることに注意が必要です。移行元のオンプレミスで稼働しているシステムと要件が合致しているか確認する必要があります。
VM Import/Export

AWS Server Migration Service

AWS Server Migration Serviceを利用するとVMware vSphere または Microsoft Hyper-V/SCVMM上で動いている仮想マシンをAWSに移行することができます。オンプレミスの仮想化環境にAWS Server Migration Service Connectorを導入して、AWS Server Migration Service Connector経由でAWS環境に仮想マシンのデータを転送します。こちらもVM  Import/Export同様、移行要件が合致しているかどうかはしっかりと確認する必要があるでしょう。自社で対応が難しい場合には同ツールを使ったソリューションを提供しているAWSのパートナーに依頼して進めることを考えてみても良いかもしれません。
AWS Server Migration Service

CloudEndure Migration

2019年6月にCloudEndure社をAWSが買収したことにより、AWSで無料で利用ができるようになったサービスです。OSごとにエージェントを導入すれば、物理・仮想マシン、どちらの移行もできます。移行先のサーバーにそのままデータを移行でき、切り替えを行うだけで移行が完了するため、最短のダウンタイムで移行できることが特長です。またデータ転送ではAWS Direct Connectを利用することができ、移行時のネットワーク帯域の制御も行えます。

仮想マシンの移行サービスは複数あるため、どのサービスを利用するかは自社のニーズに合わせて検討が必要です。
AWSへの移行を効率化するAWS SMSとCloudEndureを徹底比較

大容量データの転送

ネットワーク経由のデータ転送

移行作業時は、データの転送を考えるとセキュリティが担保されたネットワークが必要です。AWSではインターネット経由の通信はもちろん、インターネットVPN、専用線(AWS Direct Connect)を利用することが可能です。インターネット経由でのデータ転送にセキュリティ面などから制約がある場合、リードタイムとコストを理由として、インターネットVPN経由でのデータ転送が採用されることが比較的多いですが、回線のセキュリティと通信品質を重視する場合はAWS Direct Connectを利用することになるでしょう。

AWS Direct Connect

AWS Snowball

移行作業では、大容量のデータをAWSに転送させないといけないケースもあるでしょう。例えば、ネットワーク越しに数十TBのデータを移行する必要があったとしたら、データ転送だけで相当の時間がかかります。AWS Snowballはそんなときに利用を考えたいサービスです。AWS Snowballは大容量の物理デバイスを利用した、データの配送サービスです。AWSからデータを移行するためのSnowballデバイスが送られてくるので、このSnowballデバイスにオンプレミス環境のデータを転送したのち、AWSにSnowballデバイスを配送します。AWS側でのデータインポートが完了すると、Snowballデバイスに保存したデータは、オブジェクトストレージであるS3に格納されます。Snowballデバイスには10GBaseT ネットワーク接続が同梱されているため、大量のデータもすばやく転送することができます。また、Snowballデバイスは耐障害性やセキュリティ面でも考慮されており、データ配送上のリスクも考慮された設計になっています。
AWS Snowball

データベースの移行

AWS Database Migration Service

データベースのデータを移行する場合に活用したいのがAWS Database Migration Serviceです。これはデータベース間のインポート・エクスポート、同期を実現するものです。これは異なるDBエンジン間のデータ移行にも対応しています。例えばMicrosoft SQL Server から MySQLのような移行にも活用可能です。多彩なソース、ターゲットエンドポイント指定が可能なため、活用の仕方次第では柔軟な移行計画が立てられそうです。

異なるDBエンジン間のデータ移行はAWS Schema Conversion Tool(AWS SCT)を合わせて使っていくことになるでしょう。ただ、全てが完全に移行できるとは限りませんので、基本的には事前に検証の上で作業計画を立てる必要があるでしょう。
AWS Database Migration Service
 
 
ここではオンプレミス環境からAWSへの移行を行う際に活用したいサービスをいくつかご紹介いたしました。

オンプレミス環境からAWSへの移行を考えたとき、全てをAWSに移行してしまう、というのが理想ではあります。しかし、環境によっては、運用レベルから、移行作業に必要な停止時間を確保できない、などの理由で、AWSに全てを移行するのが難しいケースもあります。この場合はオンプレミス環境に一部を残し、AWSとのハイブリッド環境を志向するのが解決策になるかもしれません。

AWSへの移行は運用や管理の負担が大きいものから行い、手間を減らすことから始めることがおすすめです。運用の時間を最小化し、新しい技術の検証や開発への注力など本来の事業に貢献できる部分に時間をあてることができるようになるでしょう。
オンプレミスからAWSへの移行を全4回の連載でお届けしましたが、本連載がみなさまのAWS移行への一助となれれば幸いです。

連載「AWSへの移行入門、オンプレミスからクラウドへの移行手順」

【1】 AWSの特長と移行準備
【2】 計画と実行 (前編)
【2】 計画と実行 (後編)
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