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AWSのGPUインスタンスとは?AI・ディープラーニングに触れる時、知っておきたいこと

現在、コロナ禍の影響により急速に発展するAI(人工知能)ですが、そのサービスの開発に活用されている「GPU」という言葉をご存知でしょうか?

様々なクラウドやオンプレミスのベンダーが提供を開始していますが、一体GPUとは何なのか、CPUとの違いなど詳しく解説したいと思います。

GPUとは?CPUとの違い

GPU(Graphics Processing Unit)とはコンピューターの3Dグラフィック処理などを行うために必要となる計算処理用の半導体チップ(プロセッサ)のことを指します。GPUはコンピューター上のアイコン表示から映像の再生など画像を表示するために必要な機能です。特に高画質機能が必要となる3Dゲームなど3Dグラフィックの再生のため、座標位置の計算とピクセルデータの計算をGPUが行っています。

それに対しCPU(Central Processing Unit / 中央処理装置 / 中央演算処理装置)はコンピューター全体の計算処理を行うためのプロセッサです。マウスやキーボード、ハードディスク、メモリー、その他周辺機器などからデータを受け取り、その動きを制御するコンピューターの中枢的役割を果たしています。

GPU:3Dグラフィックなど画像描写に特化した計算処理機能
CPU:コンピューター全体の計算処理機能

簡単にまとめると上記のようになります。

また、CPUとGPUの大きな違いはプロセッサの中心的な部品となるコアの数です。CPUはデュアルコア(2コア)やクアッドコア(4コア)がコンピューターやスマートフォンの典型的なコア数であり、例えばクアッドコアのCPUの場合4つの処理を並列して行っています。それに対しGPUは1つのプロセッサに数千個のコアを搭載しているので大量の処理を同時に実行することが可能です。

GPUとディープラーニング

現在、新型コロナウイルス感染症の流行によりAI(人工知能)への注目が高まってきています。オンラインショッピングのおすすめ商品の紹介や公共施設などの混雑予測、新型コロナウイルス用の医療機器としてAIを用いた肺画像解析プログラム、企業の人事評価システムなどあらゆる場面でAIが急速に活用されるようになりました。

実はグラフィック処理用のプロセッサであるGPUが今日のAI開発を支えています。それには「ディープラーニング」(DL / 深層学習)が大きく関係しています。

ディープラーニングとはコンピューターなどの機器やシステムに大量のデータを学習させることでデータ内から特徴を見つけ出す技術方法で、AIの急速な発展を支える技術とされています。人間の脳神経回路(Neuron / ニューロン)がモデルにされたニューラルネットワーク(Neural Network / NN)と呼ばれる多層構造アルゴリズムをベースとしています。大量のデータをもとに膨大な計算処理を行う上で並列で計算でき、演算性能が高いGPUが広く利用されるようになったのです。

GPUの演算性能が向上していくにつれ、グラフィック用に利用されてきた計算能力がディープラーニングに必要な大量のデータを深い階層まで分析していくための計算に役立つようになりました。上記のようにグラフィック以外の目的で利用されるGPUをGPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Units)と呼びます。

GPUを使った現在のディープラーニングの例としては、スマートフォンの顔認証や生産工場での不良品自動検知システムなどに利用されている画像認識機能、iPhoneに搭載されているSiriなどの音声認識サービス、スマートスピーカーなど音声データをテキストデータに変換する音声認識などが挙げられます。

AIの普及によりディープラーニングが活用される場面が増えているため、その中核を担うGPUは大きな注目を浴びているのです。

クラウド型のGPUインスタンス

ディープラーニングを行うためには大量の計算が必要になるため、より高性能なGPUを使うのが望ましいですがその分コストが発生します。そこで今回オススメするのが「クラウド型のGPUインスタンス」です。クラウド型であれば自社で初期の設備投資する必要が無く、利用時間に応じた価格のみ発生してくるため必要以上の負担がかかりません。

AWSのAmazon EC2 P2 インスタンス、GCPのCompute Engine GPUなどの大手クラウドサービス企業でもGPUインスタンスを提供しておりますので、それぞれのサービス概要やコスト面などから比較して目的に合ったものを選びましょう。

今回はGPUとAI、ディープラーニングの関係性をテーマにいたしました。今日、ゲーム開発も2Dから3Dに対応したものが続々とリリースされており、エンドユーザーからの需要も高まってきています。またこれからAIも様々な場面で導入が進んでいくのに合わせ、GPUの性能向上も期待できます。

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