※AWS無料枠(AWS Free Tier)の内容は、アカウント作成時期や選択したプラン(Free Plan / Paid Plan)によって適用条件が異なる場合があります。最新の対象サービス・上限・期間はAWS公式の無料枠ページをご確認ください。
クラウドコンピューティングサービスのパイオニアであるAmazon Web Service(AWS)は、仮想サーバーのAmazon EC2をはじめ、魅力的なサービスが200以上あり、継続的な改善・拡充が続けられています。AWSでは、各種サービスを試用できるよう無料の利用枠を用意しています。無料サービスを賢く使えばスモールスタートでのWebサイト構築やAWSの最新サービスにもトライアルできます。本記事では、AWSの無料利用枠について解説します。
なお、AWSパートナーが提供する「請求代行 リセールサービス」を使うことでAWSと直接契約するより費用が割引になります。<マンガでわかる>AWSリセールサービスの資料では、なぜAWS料金が安くなるのか?どんなメリットがあるのか?マンガでわかりやすくリセールサービスを解説しています。無料枠を超えた場合にもAWSを安く利用する方法としてご検討ください。
主なAWS無料利用枠でできることと、制限などの注意点
AWS無料枠は、利用する製品やサービスによって「無料トライアル」「12ヶ月間無料」「常に無料」と3種類のオファーがあります。例えば、仮想サーバーサービスであるAmazon EC2は「リージョンに応じて、750 時間/月の Linux、RHEL、SLES t2.micro または t3.micro インスタンス」を、ストレージサービスのAmazon S3は「5GB の標準ストレージ」を12ヶ月無料で利用できます。
また無料利用枠を超えた場合は、標準の料金を従量課金制に従って支払うことになります。今いくら使ったか、制限を超える場合はメールをもらうなど、課金への注意も用意されています。
最新のAWS無料利用枠の調べ方
AWSの無料枠にどのようなものがあるのかは、同社のサイトの AWS 無料利用枠を参照する方法をおすすめします。こちらには、無料枠の対象サービスが多数紹介されています(内容は更新されます)。ページ左側のチェック項目で無料枠の種別、サービスの種別を選択する事で、多数のサービスの中から検索できる機能が用意されているので、「12ヶ月無料」「データベース」などにチェックを入れれば、「Amazon RDS、750 時間/月の、db.t2.micro データベース使用」といった無料枠を容易に探せます。

出典:AWS 無料利用枠
▼こんなこと感じていませんか?
・AWS運用のための社内リソースが足りずに困っている
・障害発生時の対応に不安がある
・運用だけでなく、構成のアドバイスもあるとうれしい
EC2・S3などAWS無料利用枠の3つの種類
AWS無料枠1.「12ヶ月間無料」Amazon EC2、S3、EBS等
※無料枠の適用条件はアカウント作成時期やプランにより異なります。対象かどうかはAWS公式ページや請求ダッシュボードでご確認ください。
AWS無料枠には、サービスごとに「12か月間無料」「常に無料」「無料トライアル」などの区分があります。対象サービスや上限は更新されるため、利用前にAWS公式の無料枠ページで最新条件を確認しておくと安心です。
12か月無料タイプは、アカウント作成日から1年間、サービス無料枠の上限まで無料で利用できます。注意する点として、AWS無料利用枠は月次の場合、毎月1日に失効し、繰り越しはありません。
またAmazon EC2の無料枠は、リージョンに応じた“Micro”インスタンス(t2.micro / t3.micro)などが対象です。対象となるインスタンスタイプや条件(OSなど)は変更される可能性があるため、AWS公式の無料枠条件を参照してください。
ちなみにAmazon EC2では、750時間/月が無料枠です。750時間とは、31日X24時間=744時間ですので、1ヶ月まるまる使えると考えて間違いありません。ただし複数のリージョンで利用した場合、すべてのリージョンで利用した時間が合計されます。この場合は、1ヶ月でも750時間を超える場合がありますので、注意が必要です。
AWS無料枠2.「無期限無料」ストレージやサーバーレスコンピューティング等
「無期限無料」は、2021年11月現在、35の無料枠があります。こちらには、プッシュメッセージングサービス「Amazon SNS」の100万の発行、ユーザーのコードを実行できるコンピューティングサービスの「AWS Lambda」の100万/月の無料リクエスト、高速で柔軟な NoSQL データベースの「Amazon DynamoDB」が25GB分といったオファーが並んでいます。
これらは既存および新規のAWSユーザーであれば、無期限で利用できるものです。利用回数に上限があるものが多いので、回数には注意しましょう。
AWS無料枠3.「トライアル」AIや仮想デスクトップ等
「無料トライアル」は、サービスごとに所定の期間・回数・使用量の範囲で無料になる枠です。例えば、Amazon QuickSightは30日間の無料試用(10GBのSPICE容量・合計4ユーザー分)、Amazon WorkSpacesは最初の一定期間に“合計で月40時間まで”利用できる枠などが用意されています。Amazon Comprehend Medicalのように「最初の1か月は○○文字まで」といった“文字数ベース”の無料枠が設定されているサービスもあります。
トライアルタイプは、選択されたサービスに応じて、所定の期間中、所定の回数に限り無料で利用できます。無料の上限は時間、日数、回数など異なるので、個々の確認が必要です。また開始日は、アカウントを作成した日ではなく、サービスをアクティベートした日からになります。
AWSの無料利用枠を実際に使ってみよう 手続き&注意点

AWSの無料利用枠を使うには、AWSへのアカウント登録が必要です。アカウント登録はクレジットカードが用意されていれば、インターネット上で10分ほどで完了します。無料利用枠は、学生でも、起業家でも、小規模企業でも利用できます。
ただし、アカウントがある組織にリンクされている (AWS Organizations) 場合、組織内で無料利用枠を利用できるアカウントは1つのみとなります。また、どのタイプの無料利用枠でも、組織のAWSのサービス使用量は、組織の全アカウントの使用量を集計した数字になるので注意が必要です。
増加するAWSアカウントの効率的な管理の方法とは
AWS無料枠を使う手順 リージョンに注意
AWSのアカウントは、AWSサイト AWS サインアップから登録できます。アカウントの登録は無料です。メールアドレスやパスワード、連絡先情報、支払い情報などを登録します。支払い情報のために、クレジットカード、デビットカード等の準備が必要です。
AWSアカウントの登録が完了するとマネジメントコンソールを開いて各種サービスを利用することができます。仮想サーバーサービスのAmazon EC2を日本国内から試用したい場合は、東京もしくは大阪リージョンを選択して構築しましょう。無料で利用できるインスタンスタイプはリージョンにより異なりますが、AWS無料枠の対象は「EC2 Micro(t2.micro または t3.micro)」です。インスタンスに追加するストレージとしてAmazon EBSを設定します。無料枠では30GBまでのEBS汎用ストレージやマグネティックストレージ(HDD)を利用できます。
Amazon EC2無料枠(micro)ならWordPressの環境が1年間無料で使える?
Amazon EC2の無料枠だけで何ができるでしょうか。参考に、WordPressを使ってのウェブサイト構築について見てみましょう。ウェブサイトを構築するには、サーバーとしてAmazon EC2を利用します。こちらはアカウントを設定してから12ヶ月は、750時間/月の無料枠があります。アカウント設定後、1年以上経っていると無料枠は使えません。また月に750時間以上の利用は有料になります。
ウェブサイトの構築で使うOSは、Amazon Linuxを利用し、Amazon EC2は、AWS無料枠の対象となる Linux の micro インスタンス(t2.micro / t3.micro)を例に進めます。なお、t2.micro は 1 vCPU / 1.0 GiB、t3.micro は 2 vCPU / 1.0 GiB です。動作検証や小規模プロジェクトであれば、こちらでもパフォーマンスに問題はないでしょう。その他の必要なソフトウェアについては、Amazon EC2の活用情報を紹介しているAWSサイトチュートリアル: Amazon Linux 2 での WordPress ブログのホスト なども、ソフトのインストール方法の参考情報として利用できます。
また、AWSで利用できるソフトウェア(もしくはそのパッケージ)を紹介しているAWS Marketplaceでは、「WordPress Certified by Bitnami and Automattic」のように、WordPress環境を簡単に立ち上げられるパッケージ(AMI)も用意されています。これらを利用すれば、WordPressを容易に構築できます。
※パッケージ(AMI)自体は無料で利用できますが、EC2/EBSなどAWSリソースの利用料は別途発生します。AWS無料枠の範囲内で構成すれば、追加費用を抑えて試すことができます。
なお、インスタンスを複数利用した場合は、すべてのインスタンス上で利用した時間が合計されます。2つのインスタンスの両方でWordPressを1ヶ月間稼働させると、1ヶ月(約744時間)X2=1,488時間を利用したことになるので、超過した738時間の費用は有料になります。
インスタンスは「停止」することもできます。停止中の時間は無料枠としてはカウントされません。日中のみウェブサイトを公開し、夜間は停止する運営であれば無料枠を超えることはないでしょう。
※なお、インスタンスを停止しても、EBSボリュームなどのストレージは残っている限り課金対象になります。またネットワーク関連(パブリックIPv4など)も条件次第で費用が発生するため、不要なリソースは削除・解放しておくと安心です。
AWS無料枠を超えた料金請求に備えて通知アラートも設定できる

無料利用枠を利用している場合、今どれほど枠を利用しているかは気になるところです。AWSでは、常にこれらの値を確認できます。確認するには、マネジメントコンソールで「請求ダッシュボード」に移動します。次に、請求ダッシュボードの「使用状況別の上位無料利用枠サービス」の一覧を見てください。無料利用枠を利用している場合、使用量の大きいものから表示してくれます。こちらを確認することで、現時点の無料利用枠の利用料を把握できます。
無料利用枠の使用制限に近づいている、または超過したかどうかをチェックするにはAWSマネジメントコンソールの「請求ダッシュボード」の左にある「請求設定」を選択し「無料利用枠の使用アラートを受信する」にチェックを入れます。
なお、AWS BudgetsではAWS 使用料金をモニタリングして、あらかじめ設定した予算を超えたらアラートを受け取ることもできます。
AWS無料利用枠のトライアルを終え、本格稼働する際の料金を試算
AWSには各サービスの費用を見積もるための料金見積りツール「AWS Pricing Calculator」が用意されています。作成できるのはあくまで見積りで、税金などは含まれず、実際の請求額は利用状況などにより変動します(請求額の見積り機能には月あたりの無料回数などの条件があります)。

出典:AWS 料金見積りツール
「AWS 料金見積りツール」では、以下の手順で利用料の見積もりを作成できます。
- サービスを選択(例えば、Amazon EC2)
- リージョンの選択、「クイック見積り」もしくは「高度な見積もり」の選択
- インスタンスの仕様を設定
- ワークロードと台数を設定
- インスタンスを選択
※年単位で契約すると割引が適用されますが、ここでは見積もり手法を学ぶために通常の「オンデマンド」を選ぶと良いでしょう。 - 価格戦略を選択
- ストレージ量、データ転送量を入力
以上で、月ごとの利用料の見積もり金額が確認できます。
AWS無料利用枠の試用を解約する手順
無料枠は便利ですが、放置すると利用料が発生するものもあります。無料枠の試用を停止し、以降、料金が発生しないようにする概要をご紹介します。以下の1~3の作業を行います。
- アカウントが無料利用枠の対象であるかどうかを確認します。請求ダッシュボードで「使用量別の上位無料利用枠サービス」の表を探してみてください。表が見つかれば、このアカウントは無料枠対象「内」です。見つからなければ対象「外」です。外では、12か月間無料の枠は使えませんので、要注意です。
- 料金が発生しているリソースを特定します。請求ダッシュボードのナビゲーションペインの [請求書] を選択します。サービス別の請求詳細セクションで、サービスの費用が一覧表示された場合は、それらはAWS無料利用枠の対象外です。
- 料金が発生しているリソースを削除、シャットダウンまたは終了します。AWS マネジメントコンソールを開き、終了したいサービスのコンソールを開きます(検索バーにサービス名を入力すると特定できます)。サービスのコンソールが表示されたら、アクティブなリソースを終了します。
以上で、無料枠を超えた請求が発生しないようになります。さらに徹底したい場合はアカウントも解約しましょう。
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無料利用枠を柔軟に利用すれば、費用をかけずにシステムを構築したり、どんなシステムが良いかの実験などを行えます。ぜひ賢く活用したいものです。
試用を終え、本格運用したい場合は、綿密な計画が必要です。そんなときは過去のAWS構築の経験がものを言います。当社、NHN テコラスの「請求代行 リセールサービス」では、AWSサービス利用料金 8% 割引プランや個別割引といったお得な支払いプランのご用意もあります。リセールサービスはAWSの技術サポートも無料でセットになっております。AWS運用のお悩みについてもお気軽にご相談ください。
▼こんなこと感じていませんか?
・AWS運用のための社内リソースが足りずに困っている
・障害発生時の対応に不安がある
・運用だけでなく、構成のアドバイスもあるとうれしい