インフラ専任のエンジニアが不在、すべてを任せられるベンダーを探して
飲食事業を展開するD社はレストランの予約や割引きクーポンの発行サービスを他社が提供しているASP型の予約サービスをベースに展開していました。しかし予約内容のカスタマイズができない点や近年の外国人観光客の増加、2020年の五輪特需により事業の利益率を拡大したい狙いもあり、グループ内の開発会社に依頼し、独自の予約システムを開発することとなります。システムの開発とともに、システムをのせるインフラの選定をすることとなったD社ですが、プロジェクトの主幹であるマーケティングと情報システム部門の担当者は、どちらもインフラには詳しくありませんでした。
インフラ専任のエンジニアがいないD社では初期構築だけでなく、季節やイベントによってアクセスの集中する期間のサーバー運用も任せたいと考えていました。何社かに声をかけた結果、インフラの構築は、ゲームやブログなどのアクセス負荷の高いコンテンツに対するクラウド運用実績が豊富であり、幅広いインフラの取扱いが可能なNHN テコラスに任せることとなりました。
AWSを利用したハブシステムの構築
D社の新システムは、予約・クーポン発行用のコンビニ、クレジットカードでの決済、顧客へのメール配信を連携させる一大プロジェクトとなります。D社の担当者だけでなく、開発会社のエンジニア、連携先の決済サービスの担当者など数多くのステークホルダーが関わるプロジェクトでしたが、D社の担当者は複数社にまたがるプロジェクトを担当した経験がなく、またシステム開発にも詳しくはありませんでした。
そこでNHN テコラスのエンジニアが開発会社と連携しながら、D社の要望をヒアリングし、インフラ選定、外部連携の要件定義、スケジュールや担当者間の調整を行い、プロジェクトをスムーズにスタートすることができました。ヒアリングの結果、インフラは可用性が高く、機能も充実しているAWSを利用し、決済システムとの連携は専用線を用意、オリジンサーバーの負荷軽減とイメージファイルの高速表示を目的にレストランの施設画像の配信はCDNを利用することとなりました。
非インフラエンジニアでも運用ができるよう自動化を徹底
D社の担当者がインフラエンジニアではなく、開発会社もインフラの運用には不安があったため、インフラ運用は手間を減らすために自動化をすすめました。障害が発生した際にプロセスを停止し自動的に再起動する仕組みや、負荷が高くなった際の増設がしやすい仕組みとして一部のサーバーはコマンド一つでコピーし起動ができるようにしています。
運用方針の策定や見直しのサイクルを決め、ワークフローに落とし込むことができたため、ステークホルダーが多い今回のようなプロジェクトでも問題が起きたときにも解決するための切り分けや手順が明確化され、解決までの時間を短縮することができました。また今後のシステムのスケールやインフラのチューニング作業の必要性を考慮し、システム稼働前には特定の曜日、時間でメンテナンスするタイミングを決めてから稼働しました。稼働後も大きな障害を起こさず、運用することができています。
仕組みの提案でビジネスを支援するパートナーへ
D社の新システム立ち上げでNHN テコラスのエンジニアは運用や障害時の対応だけでなく、コンサルティングやインフラ運用を行うための仕組みづくりを提案したため、D社の飲食事業の売り上げを支えるパートナーとして信頼していただくことができました。また新システムで順調に売り上げを増やすことができたD社はシステムの外販も視野にいれたサービス展開を行っています。外販への取り組みに向けたシステムの拡張に対して、キャパシティプランニングもふくめ、NHN テコラスのエンジニアは今後も提案を続けていきます。
導入後の効果
- ワークフローの策定や運用の一部自動化により、運用工数を削減
- 負荷を分散できる設計とCDNの利用により、急激なアクセス増加にも対応
- システムの外販も視野にいれたサービス展開が可能に
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