「ビッグデータ」や「機械学習」など、データ分析に関する言葉はかなり浸透しました。展示会などでもひときわ人だかりができ、人々の関心が高いことが伺えます。データ分析に関心を持つ人が増えたことで、データ活用により業務改善が実現した、というような成功例を目にすることが多くなり、データ活用に実際に取り組んでいる企業は増えてきています。
しかし、ビッグデータなどの言葉がメジャーになって取り組みが増えた一方で、失敗した事例も数々あります。今回は、データ活用において失敗の多いパターンを3つと、成功させるためにおさえておきたいポイントをご紹介します。
データ分析における失敗例3パターン
パターン①:「成果」が出なかった
「データ分析をやってみたけど、成果が出ずにやめた」というフレーズ、身近で耳にしたことはありませんか?
そもそも「成果が出た」とは、具体的にどういうことでしょうか。成果=分析結果なのでしょうか。分析の結果はあくまで結果に過ぎません。期待したような分析結果が出なくても、それはそれで次に繋がる分析結果なのです。例えば、にんじんを買う人はカレーを作る予定のある人だ、と考えてにんじんの購入量とカレールウの購入量の相関分析を行ったところ、相関性はなかったという結果が得られたとします。この場合、相関性がない=たいした結果じゃないと思いがちですが、にんじんで相関がなければ他の野菜でカレールウは相関が見られるかもしれない、と次の分析に活かせるのです。分析は一度行って終わりではありません。ひとつの分析結果から次の分析を行い、実際にサービスや業務で使えるような結果に繋げていくのです。つまり、「成果」が出ないというのは、成功するまで分析をできていないとも言えます。
パターン②:データ分析ツールを使いこなせない
データ活用をしたいが、データサイエンティストが社内にいない場合、データ分析ツールの利用を検討することもあるでしょう。簡単にデータ分析をすることが可能であり、さまざまなツールが各社から出ています。もちろん、データを入れてしまえば、分析はツールでできるのですが、分析を行うその前段階で頓挫するケースもあります。データ整形で時間とコストがかかってしまうためです。また、データ統合から分析、可視化まですべての工程がひとつのツールでできれば最良ですが、各工程でバラバラにツールを導入した場合には、ツールを使いこなす工数が導入の度に生じます。データを入力すれば一気通貫で可視化まで行えるツールが一番良いですが、「分析」だけに目を向けるのではなく、分析前後の作業は具体的にどうするのか、全体像を考えた上で進めるのがよいでしょう。
パターン③:分析までの道のりが長い
データ分析の工程において、最も時間がかかるのはデータの整形です。ここで時間やコストがかかりすぎたために、分析にはたどり着けずプロジェクトは頓挫、ということも少なくありません。
例えば、小売業で見てみると、ECサイトから顧客のプロフィールデータ、購買データなどが欲しいとサイト委託会社や他部署にデータ抽出依頼を出します。もし、更に追加データも必要となれば更に時間がかかり、なかなか分析に進めないということがあります。
データは店舗のPOSデータ、ECサイトのデータを利用し、それを統合した上で分析するとなると莫大な工数がかかります。データの形式が異なる部分の整形、使えないデータの補填・修正などは分析したいデータの種類・量が多いほど時間と作業は必要になります。そしてそれに対応するために今度はDMPツールをいれて…となると時間だけでなくコストもかかります。
3つの失敗から学ぶ、データ分析を成功させるコツ
データ分析には、便利なツールが各社から販売されていますが、ツールを購入せずともExcelからはじめることも可能です。データさえあれば、今日にでも始めることは可能なのです。また、データの量もはじめは一部に絞り、短期間で分析結果から効果を判断すれば、少ないコストで効果検証が可能となります。確実なのはデータサイエンティストに分析を依頼し、スモールスタートで分析、実証実験としてある程度のデータ、期間で実証実験することです。仮にデータ分析するまでもない、という判断になってやめたとしても、かけたコストは最小限で済みます。こうした実証実験を経て、ある程度見込みができた上でビッグデータの分析に取り掛かり、最終的に全データで分析した結果をサービスや業務に反映させることが成功のポイントとなります。
データ分析は必要なスキルが多岐にわたり、取り組みが大変という印象がありますが、各種サービスやツールの充実により手がけやすくなっています。
まずはスモールスタートで、自社に眠っているデータの活用を始めてみてはいかがでしょうか。
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