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ECサイトのユーザーデータの活用、スモールスタートで売り上げに貢献

データの活用、予算に合わせてスモールスタートも可能

化粧品の開発・販売を行っているC社は、自社のECサイトで購入に関するリピート率向上が課題です。課題の解決のため、蓄積しているユーザーの行動履歴やSNSでのデータを活用したサービスの改善を検討していました。しかし社内に専任のデータアナリストがいないため具体的なデータの活用方法がわからず、また大手コンサルティングファームやSIerに依頼をすると費用が莫大になるため、気軽に相談・依頼できる先を探していました。
そこでC社の予算に合わせてスモールスタートできる点や、コンサルティングから分析用基盤の開発・構築、施策実行後の改善提案、スキルの内製化に向けての教育までワンストップで提供できるNHN テコラスに依頼をすることにしました。

会員数約10万人を有するC社のECサイトの課題をデータから洗い出し

会員数約10万人を有するC社のECサイトについてNHN テコラスのデータコンサルタントがヒアリングを行った結果、マーケティング施策として行っているメール配信ではセグメントを分けず、一括配信を行っていることが分かりました。そこでデータコンサルタントは、リピート率を向上させる方法はメール配信の改善にあるのではないかという仮説を立てます。行動履歴データを分析した結果、購入回数と金額からユーザーを大きく3つのセグメントに分けることができました。

  • [セグメントA]購入回数が1回のユーザーは約5万人居て、1回の購入金額が3,000円以下と少ない傾向にある
  • [セグメントB]購入回数が2回以上、5回以下のユーザーは約3.5万人居て、1回の平均購入金額が7,000円以上と多い傾向にある
  • [セグメントC]購入回数が6回以上のユーザーは約1.5万人居て、1回の平均購入金額が4,000円以下と少ない傾向にある

セグメントAのユーザーはお試しでの小額購入が多く、本格的な購入に至っていないためにリピートしていないというシナリオが推測されます。
ただ、ユーザーのデモグラフィック情報はセグメントBやCと明確な違いが無いため、購入後のメール配信の工夫によってリピート率の高いユーザーになる可能性があると考えました。セグメントBのユーザーの7割は2ヶ月以内に二回目の購入をしているので、セグメントAのユーザーに対してリピートをしてもらえるようなキャンペーン施策をメール配信し、効果を検証することとなりました。購入何日後にメール配信するのがベストか分からなかったので、ランダムサンプリングし、15日後、30日後、45日後の三種類のタイミングを試しました。すると30日後のヒット率が最も高かったので、以後、全ての対象に対して30日後のメール配信を実施しました。
その結果、リピート率が110%になりました。それに加えて副次効果としてリピート顧客の単価が120%になり、これらを合わせると、マーケティングコストを踏まえても十分利益増に至るだけの売上増という結果を得ることができました。

口コミを分析し、改善を反映

また商品やサービスの改善のために、SNSや大手化粧品販売サイトでのレビューなどの情報を収集、自然言語処理によりユーザーの意見がネガティブかボジティブを判定しました。商品に関する意見はポジティブなものが多かったのですが、一部の商品パッケージに関する意見にネガティブな傾向が見られました。C社はターゲットの年齢とパッケージデザインにズレがあると考え、該当商品のデザインのリニューアルを行いました。
デザインのリニューアル後に、3度ほど分析を行った結果、パッケージに関しての意見はネガティブなものが徐々に減少し、ポジティブな傾向に改善されていました。口コミのデータについては継続して収集、分析を行いたいという要望により、C社専用の分析用基盤の構築、運用フローを提案することとなりました。

分析用基盤をマーケティング施策に活用

分析用基盤の構築により、利用するデータについては自動的に収集・分析されるため、ランニングで必要なコストは分析用基盤を載せているクラウドの運用費用のみとなります。またレポートの抽出方法についてのスキル教育も実施したため、定期的なレポーティングは自社内で内製化でき、その点でもコストを抑えることができました。

分析の機能を社内にもつことができたため、C社はSNSを利用した新商品のテストマーケテイングなどを行い、ユーザーの声を反映したマーケティング施策に活用していくことができるようになります。新しいアプローチや高度な分析を行う際にはNHNテコラスが支援することで、C社は分析用基盤を継続的に高度利用できる体制を最小限の人的コストで得ることができました。

導入後の効果

  • メール配信のセグメントを見直すことで売り上げアップ
  • ユーザーの口コミを分析、マーケティングに活用することでブランドの印象が向上
  • 分析を行うための基盤・体制を整理し、最小限のコストで新しいアプローチや高度な分析が可能に

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