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BaaS (Backend as a Service) とは?

WebサイトやWebアプリは大きく分けて、「フロントエンドサービス」と「バックエンドサービス」という2つの仕組みによって動いています。フロントエンドサービスはクライアントサイドとも呼ばれ、ユーザーが文字を入力したりボタンをクリックしたりする部分やバックエンドのソフトウェアと直接やり取りをする部分のことを指します。反対に、サーバーサイドやデータベースのシステムなどユーザーの目に見えない部分のことをバックエンドサービスと呼びます。WebサイトやWebアプリのユーザーが使用・表示しているデータの処理・保存や計算や変換などを行ったり、データベースへの保存、検索結果の出力などアプリを運営していく上で必要不可欠な作業はバックエンドサービスで行われています。

しかし、限られたリソースの中でバックエンドを開発・運営するために必要な作業量はかなり膨大なものになってることをご存知でしょうか?

そんな膨大な作業を効率的に行うサービス「BaaS」をご紹介いたします!

BaaSとは?

「BaaS」とは”Backend as a Service”の略称であり、Webアプリやモバイルアプリが持つバックエンド機能をアプリケーションサーバー側が代行するクラウドサービスです。

余談ですが、BaaSと関連して良く出てくる用語に「MBaaS」がありますが、”Mobile Backend as a Service”の略称でモバイル向けアプリの構築を特に目的としたBaaSを指します。意味自体に大差はありませんが、モバイルアプリに特化したバックエンドで必要な機能をサービスとして提供するものをMBaaSと呼びます。

BaaSの機能には、以下のような機能が含まれています。(※機能は一例です。ベンダー毎に機能は異なります。)

1.アカウント管理機能

アプリのユーザー登録やログイン管理を行う機能です。アプリ独自のアカウントを作成・管理するだけでなく、最近はTwitterやFacebookなどソーシャルアプリ連携をするサービスも広まっています。

2.データストア機能

アプリのユーザー情報や写真・画像など様々なデータを保存・共有することができる機能です。

3.プッシュ通知機能

アプリユーザーのデバイス(iOSやAndroidなど)に通知を送る機能です。

4.サーバーサイド処理実装機能

BaaSで提供されている機能だけでなく、アプリ固有のサーバーサイド処理を実装できる機能です。アプリの機能に特化した仕組みを別途作り込むことで工数の削減に繋がります。

5.分析機能

アクティブユーザー数の推移、APIコール数、Push通知数等アプリ運用に必要な数値などを確認できる機能です。

バックエンドサービスはアプリの規模や種類に応じた設計・開発、メンテナンスを行うので時間が多くかかるだけでなく、専門技術も必要なため人的コストが発生する傾向にありました。また近年はスマホアプリとWebアプリ両方のデータ統合が必要とされ始めているので、多くのサービスでデータ管理に関するストレスも浮上しています。

そうした問題を解決すべく開発されたのがBaaSです。APIおよびSDKを介してWebやモバイルアプリをクラウドサービスに接続する方法を開発者に提供しています。必要なバックエンドサービス機能の構築・開発・運用を業者に任せられるので、開発者はフロントエンドサービスの開発に注力できるようなります。

IaaSやPaaSなど他のクラウドコンピューティング環境のサービスモデルと比較するとBaaSはまだまだ後発的ですが、導入する企業は増加傾向にあります。

次にBaaSを導入するメリット・デメリットをお話いたします。

BaaS利用のメリット

BaaSを有効活用することで多くのメリットが得られます。
まず、開発時にアプリを運営するために必要なサーバーとの連携部分をBaaSで対応することで、開発者はサーバー側のことを業者にお任せできる分、アプリ自体の品質向上に注力することができます。また、開発スピードの短縮化にも役立ちます。

運営時もサーバー側の専門性の高い作業はBaaSで賄えるので、サーバー関連のメンテナンスなどは不要になり、結果として管理コストの削減に繋がります。またアプリの実行を維持するために、サーバーや仮想マシンなどインフラを自社で保有する必要がありません。そういった面でも無駄な資源が発生しないのでコスト削減が可能となります。業者にお任せしておけば、ハイスペックなインフラを利用してアプリの運営ができることもメリットの一つとしてあげられます。

BaaS利用のデメリットと選定方法

デメリットとしては、以下2点があげられます。
1つ目は経済的負担です。金額や費用対効果は業者や自社アプリの性質によって様々なので一度お問合せしてみることをオススメ致します。2つ目は、ベンダーロックインがかかってしまうという点です。ベンダーロックインとは「情報システムなどの中核部分に特定の企業の製品やサービスなどを組み込んだ構成にすることで、他社製品への切り替えが困難になること」を指します。アプリを運営するにあたり重要なデータを預けるので、万が一何かトラブルがあっても簡単には他社へ移行するが出来ないというような事態に繋がる可能性も少なからず存在します。そのため業者は金額だけで選定せずに、信頼や実績などがあることも重要視しながら選ぶ必要があります。

BaaS業者の選定方法として重要視すべき点を上げてみました。

  1. 自社アプリの目的にあったサービス・環境が提供されているか
  2. 信頼や実績があるか
  3. サポート体制が整っているか
  4. 料金や費用対効果

自社アプリにとって本当に必要な機能や環境がその業者のBaaSに備わっているか、しっかりと見極めなくてはいけません。金額や口コミ等で判断することも重要ですが、実際利用してみてから求めていた機能がなかった、ということがないように自社アプリへの理解を深め、しっかりと下調べを行いましょう。また、システムの安定性やいつでも相談できるサポートサービスが整っているかどうかも重視する点です。その際にサポート言語が日本語であればさらに安心できます。

もし現在、自社アプリ開発のスピードを加速させたい!や、フロントエンドサービス開発に注力したい!など考えているのであれば、是非この機会にBaaSやMBaaSの導入を検討してみてください。

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