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初めてでも安心!EC2とVPCを活用して、AWSに手間なく移行するコツ

オンプレミスからAWSへの移行、AWSならではの仕様や考え方に戸惑い、どのように手をつければよいかわからず悩む方も多いかと思います。本記事ではなるべく手間なくAWSへ移行するためのコツを紹介します。

リフトアンドシフトで近しい環境を構築

AWSの利用に慣れていない状況でリファクタリングや構成の再設計をすることはリスクが高く、時間もかかります。手間をかけずにAWS環境に移行したい場合にオススメするのがオンプレミスで実現していた環境をそのままAWSに移行(リフト)し、その後徐々に最適化(シフト)を進めていくリフトアンドシフト方式です。最初はサーバー構成を極力変えずにAWSへ移行するため、難易度が低く、システム改修等の導入コストも抑えることができます。

リフトアンドシフト方式で移行する場合に、まずはマネージドサービスを利用せず、AWSで汎用的に利用できるIaaSサービスのAmazon Elastic Compute Cloud(EC2)とAmazon Virtual Private Cloud(VPC)の活用を中心とした設計を行います。マネージドサービスはAWSのメリットを最大限に享受するためにもぜひとも活用したいサービスですが、最初のステップとしてはEC2とVPCだけを利用した設計を検討してみることをおすすめします。まずはEC2とVPCがどのようなサービスかを紹介します。

EC2とは

AWSが提供する仮想サーバーサービスです。一般的なWebサイトのWebアプリケーションサーバーとして利用されるなど、使い勝手がよく汎用的に活用されています。

EC2の特長

  • 細かな単位でのサーバースペックや台数の増減が短時間で可能
  • アベイラビリティゾーン(AWSが提供する”論理的な”データセンターで1つ以上の物理的なデータセンターで構成され、地理的・電源的・ネットワーク的に分離している)をまたいだサーバーの構築が容易
  • イメージの持ち込みや仮想ネットワークアプライアンスの導入も可能
  • 基本的に利用した分だけの従量課金

EC2の従量課金、4つのポイントを押さえれば怖くない?!

AWSのサービスを初めて利用する際に、従量課金に戸惑うことも少なくありません。24時間365日ずっと立ち上げているシステムの場合、月額利用料の増減は大きくありません。また年のうちの63%以上起動していると場合には年契約でリザーブドインスタンスを利用したほうがコストを抑えて利用できます。
EC2の利用では課金が発生する以下の4つポイントに気をつけましょう。

  • コンピューティングリソース(メモリ、CPU)
  • ライセンス
  • ストレージ
  • トラフィック(アウトバウンド)

この4つの課金ポイントではトラフィックが最も利用料の増減がでやすいです。課金はAWSからのアウトバウンドの通信量に対して行われますが、例えば1TBのトラフィックが発生しても2018年11月現在で利用料は$116ドル程度です。動画配信など大容量のコンテンツ配信しない限りはトラフィックで課金額が爆発的に増える可能性は低いですが、AWS上で動かすシステムの内容によっては課金額の増減に注意する必要があります。

従量課金に関する不安がある場合にはAWSのSIMPLE MONTHLY CALCULATORで見積もりを行い、目安を知ることが大切です。また一部のAWSのパートナーが展開している請求代行サービスで、EC2がAWSの提供価格より割引で利用できることもあるため、活用しましょう。
>>AWS請求代行サービス

VPCとは?

EC2を配置する仮想ネットワークサービスです。

VPCの特長

  • IPやサブネットを自由に設計できるローカルネットワーク
  • ファイアウォールに似た機能であるセキュリティグループを無料で利用可能
  • 拠点とのVPN接続や専用線接続も可能

オンプレミスからAWSに手間なく移行する設計のコツ

AWSのVPCを活用すればオンプレミスのネットワークと近しい構成を設計することができるため、移行の手間が少なくなります。
例えば以下の構成のように基本的な設計を変えずにEC2とVPCを活用して、移行が可能です。

さらにAWSに移行したシステムについてはアベイラビリティゾーンをまたいだ設定ができ、地理的冗長性を簡単に実現できます。

しかし注意が必要な部分として、アベイラビリティゾーンをまたぐ場合サブネットを分ける必要があるため、ロードバランサーのバーチャルIPをどうするかを考える必要があります。
そういった課題がでてきたときに、AWSのマネージドサービスを活用しましょう。

AWSのマネージドサービスを活用した運用

先程あげた構成例だと、本番環境として運用する際に以下の課題がでてきます。

  • ロードバランサーのアクセス増がボトルネックになる
  • データベース間のデータの同期
  • データベースのバックアップ
  • 障害時のマスター・スレーブの復旧

こういった導入のためのシステム改修が少なく済み、かつ導入した場合のメリットが明確な部分についてはマネージドサービスの導入を検討します。今回のケースではElastic Load Balancer(ELB)とRelational Database Service(RDS)を活用することで解決できます。

ロードバランサーの課題を解決するELBの特長

  • アベイラビリティゾーンをまたいだ配置・振り分けが可能
  • ロードバランサーへのバーチャルIPの付与を意識しなくても冗長化できる
  • 高負荷時は自動でスケール

データベースの課題を解決するRDSの特長

  • レプリケーション設定は数クリックで
  • 障害時のマスター・スレーブの切り替えは自動
  • 無停止の自動バックアップ

このようにまずはEC2とVPCだけで使って設計してみましょう。その上で冗長構成での考慮ポイントの軽減などメリットが明確でシステム改修が少なそうな部分にだけマネージドサービスの導入を検討します。まずは導入ハードルの極力低い構成に移行(リフト)して運用してみてから、運用上の課題を解決してくれるサービスを徐々に最適化(シフト)していきます。リフトアンドシフト方式を採用すると、移行のリスクを軽減しつつ、AWSの利用メリットを徐々に拡大していくことができます。

リフトアンドシフト方式を採用する場合のポイントは、移行(リフト)することが目的ではなく、最適化(シフト)することが目的であることを運用開始後も忘れないことです。EC2やVPCは古くからあるAWSのサービスではありますが、常にアップデートし続けています。新機能はチェックして、自社に必要な機能やサービスは採用し、最適な環境にシフトし続けることを常に意識しましょう。

課題解決ソリューションのご紹介

APN アドバンスドコンサルティングパートナーのNHN テコラスであれば請求代行サービスの利用はもちろんのこと、AWS環境の導入から運用、活用までお客様ごとの課題にあった最適な提案が可能です。

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