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データサイエンティスト 山川
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貯めているだけではもったいない、21世紀の石油「データ」の活用方法

昨今「ビッグデータ」がバズワードになり、データ分析やデータ活用に注目が集まっている。データを蓄積・分析する環境は年々アップデートされているが、実際にデータの活用まで着手できている企業は少なく、外部の企業に分析を依頼するケースも少なくない。そこで、自社でなく他社にデータ分析を依頼することのメリット・デメリットや実態について、NHN テコラスの分析・コンサルティングを行うデータサイエンスチーム マネージャーの山川に話を聞いた。

入り口から上流まで幅広い対応が強みの、NHNテコラスのデータ分析サービス

NHN テコラスはIT・インフラソリューションを主軸としていますが、そのような企業がデータ分析サービスを提供しているのは珍しいように思います。どのような経緯でデータサイエンスチームはできたのでしょうか。

現在のチームのメンバーのほとんどは、もともとNHN comico、NHN PlayArtなどNHNグループ各社のなかで、主に内向きにデータ分析業務を行っていました。ゲーム関連やWebサービスのデータの分析などですね。そこで培ったノウハウの展開を目的とし、チームの発足に至りました。
世界中でデータの蓄積量がどんどん増えており、データが21世紀の石油だと言われています。今後さらに分析ニーズは高まり、特にオンプレミスやクラウドなどデータを蓄積する場を提供する立場から、お客様が蓄積されたデータに対して新しい付加価値を生み出すことで、ビジネス展開の一助をするという経営判断のもと、チームを立ち上げました。

チームメンバーについて教えてください。

分析メインの業務を行っていたメンバーがほとんどでしたが、発足時に外向けにコンサルティングを行うメンバーなども集めました。
それぞれメンバーのバックボーンは異なっており、開発が得意なメンバーや理論研究を得意とするメンバー、データの可視化など、BIツールを用いることに長けている者もいます。チームメンバーそれぞれ得意とすることが異なりますので、チームとしてみればお客様のご要望や対応できる分析技術の範囲は幅が広いです。
また、私個人で言えば、前職で中堅中小企業向けに、財務、事業、ITのコンサルを一気通貫でやっていたために、経営、会計、事業、システムに対して幅広く意見を申し上げ、改善提案が出来るといったところが強みかと思います。
チームを俯瞰して見ると、基本的には浅く広くというところを得意としています。浅く広くというのは裏を返せば弱みにもなりますが、そもそもお客様自身がデータをどう活用すればいいのかを悩んでいるケースが多いため、コンサルティングをベースとして広くお客様のご要望に対応できることが強みと自負しております。

データサイエンスチーム

NHNテコラスならではのデータ分析の特長はなんですか?

先程も申し上げたとおり、お客様のご要望に対して幅広くお応えできる点と柔軟なサービス提供形態ですね。具体的な課題がなくともコンサルティングさせていただくことから可能であり、逆に分析だけ、アルゴリズムを組むだけ、などスポットでサービス提供させていただくことも可能です。コンサルティング部分から提案できるのはITインフラ企業では珍しく、必要な場合にはクラウドなどインフラと併せて提供できるのも当社独自の強みと言えます。
また、大手コンサルティングファームやSI系の分析サービスよりも、比較的安価に提供が可能な点も特長です。具体的な金額はご依頼内容によって変わるので一概には言えませんが、どなたに提案しても、「そんなに安くして大丈夫なの?」と言われます。当チームは戦略的組織と位置付けられており、お客様との接点を持つためのフックの役割が大きいです。データ分析だけでなく、分析の基盤となるインフラの導入まで含めたトータルサポートを行うことが最終的な目的のため、分析の部分はお客様のニーズやご予算に合わせて柔軟な価格設定が可能となっています。

データの活用方法を模索しているお客様の進む道を整理する

昨今「ビッグデータ」がトレンドになっていますが、世の中のデータ分析のニーズは高まっていると感じますか?

データ分析は元から潜在的なニーズは高かったけれど、そのニーズに気づいていなかったケースが多かったのだと思います。「ビッグデータ」「データ分析」という言葉が出現して、重要さを理解し、気づいたという部分が大きいと感じています。まだ本格的なデータ活用が始まっていない企業が多いためか、実際に関わっている案件では、テクニカルなスキル以外の部分で評価されることが多いですね。単純にデータを整理して集計した場合や、元となるデータが少なすぎてフェルミ推定をするケースなどです。

では、何が評価されているかというと、いわゆる交通整理の部分です。利害関係者の意見を調整して図に落としこむ、組織と組織の間でステークスホルダー同士がお見合い状態になり動きが取れなくなってしまっている状況を整理し、進めることです。いわゆるビジネスコンサルティングの領域ですね。冒頭で述べた通り、お客様もデータをどう活用するか模索している段階のため、データ分析という共通の認識の上でビジネス課題の解決に近づくことの価値が高いです。

ニーズはもともとあったが、言葉が出てきたことにより、より意識が強まったということですね。お客様の案件に関わる中では、やりたいことやニーズのあるお客様と、データはあって何か出来ないか相談されるお客様はどっちが多いですか?

ニーズ先行が多いですが、最近はお客様のデータ分析への意識の高まりもあり、データはあるので何かできないか、というご相談も増えています。

業種で言うと、どのようなところが多いですか?

比較的データが集まりやすい業種なのか、製造業や小売業がやや多いように感じます。Web上のアクセスデータなど、インターネットでWebサイトを公開しているありとあらゆる業種がデータ分析対象になると思いますが、その中でもECの割合が高いですね。

データ分析を成功させるためのコツは、分析結果をどう評価するか

データサイエンティストの山川

どのようなお客様、案件ですと、分析したデータの活用が上手くいきやすいですか?データを分析や活用すること自体へのニーズやリテラシーのある担当者がいる場合は良い結果がでやすいです。

データ分析では、分析したら必ず良い結果がでるわけではなく、5件分析をしても面白い結果が出るのが1件というのはざらです。例えば、「雨が降ったら傘が売れる」みたいな一見意味がなさそうな結果がでることもしばしばです。でも、それは雨が降ったのに傘が売れなかったという結果が出なかったことによって、その気象データと販売データが正しいということを確認したという意味があります。
しかし、人によっては結果だけ見て「そんなことは分析しなくてもわかっている」となり、データ分析をやる意味はなかったと終了してしまうのです。データ分析や活用へのリテラシーが高い方であれば、「きちんとデータのバリデーションができましたね、じゃあ次に進みましょう」と言っていただけるため、意味のあるデータ分析結果に繋がりやすくなります。

データや分析で良い結果ができるかどうかはやっていかないと分からないということでしょうか?

例えば、お医者さんに行って、血圧を測ることや血液検査をするだけでは体調は良くなりません。でも、それをしないといまの患者さんの状態が把握できないため、具体的な治療に進めないですよね。それと同じようなことで、データの状態をまずは見ないといけないわけです。いわゆる前処理という話になるのですが、データをいただいたときに、いきなり分析を始められない場合がほとんどです。
人が手入力していた、処理が古いままだったなどの理由でデータが間違がっているというケースもありますし、欠損が多くてなんとか補わないと分析が始められないケースもあります。そういった課題を一つ一つ解決し、データの信頼性を確保できてからようやく分析をし、その結果を踏まえて次の分析に着手できるようになります。

1回の分析では結果は得にくい、ということでしょうか。

1回の分析でも結果は出るのですが、ある程度長期かつさまざまな角度から分析したほうが正確性は増しますし、得られる気づきも増えるため、よりお客様の課題解決に繋がります。また私たちは分析で終わるのでなく、分析した結果を今後のビジネスにお客様自身で活かせるよう、分析業務の実装やお客様へのスキル定着までサポートしております。個人的にも、1回で終わりではなく、アウトプットを評価いただき、次はこれを頼みたいと言ってくださるお客様に対して、一番やりがいを感じますね。

ありがとうございました。

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