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円安対策にも有効!AWSの「リザーブドインスタンス(RI)」「Savings Plans」とは?比較や概要、Amazon EC2での料金事例も紹介

AWSは、世界中で利用されているクラウドコンピューティングサービスです。AWSは利用した時間単位で課金される、「オンデマンドインスタンス」が主流となっています。

一方、AWSには1年もしくは3年の長期利用をすることで費用が安くなる2つの割引サービス「リザーブドインスタンス」「Savings Plans」が用意されています。常時稼働している社内システムやアプリケーションのインスタンスに、いずれかの割引サービスを適用すると、オンデマンドより大幅に割引された料金で利用できます。

また、2022年8月現在、急激に進んだ円安によりAWSサービス利用料金が高くなっています。日本国内のユーザーは利用料金を円で支払いますが、もともとは米ドルで請求されるため、円安分だけ費用が上昇しています。AWSを利用している企業は、この円安相場に少なからず影響を受けており、その対策として、2つの割引サービスは、コストの削減と為替による変動を受けにくいというメリットもあります。

しかし、いずれも料金体系が複雑に感じられるため、導入を見送るケースもあります。

今回は、「リザーブドインスタンス」「Savings Plans」とは何か、2つの割引サービスの違いや、概要、活用事例、また、どちらの方がお得になるかも交えて解説します。導入を検討している場合は参考にしてください。

リザーブドインスタンスとSavings Plansの違い

いずれも、長期間利用をコミットすることで、オンデマンドより大幅に割引されて安く利用できますが、まずはそれぞれどこに大きな違いがあるのかについて解説します。

リザーブドインスタンス はユーザーが利用するインスタンスのインスタンスファミリー、インスタンスタイプなどスペックを指定し、長期利用(1年or 3年)をコミットすることで料金が割引になります。なお、インスタンスの再作成などによりインスタンスIDが変わっても割引対象となります。

一方、Savings Plans はユーザーが1時間あたり支払う利用金額を決めて、長期利用(1年or 3年)をコミットすることで料金が割引になります。もし、決めた金額を超えて利用した場合はオンデマンドの費用がかかります。

リザーブドインスタンスとSavings Plansの大きな違いは、ユーザーが利用するインスタンスのインスタンスファミリー、インスタンスタイプなどインスタンススペックをコミットするのか、1時間あたり支払う利用金額をコミットするかの違いになります。

Savings Plansはインスタンスタイプなどの制限に縛りがなく柔軟性も出てくる半面、利用できるサービスの幅が狭まるなど仕様にも違いがあります。共通の仕様を確認した後、それぞれの特徴を細かく見ていきましょう。

リサーブドインスタンスとSavings Plansの比較表

Savings Plans リザーブドインスタンス
Compute EC2 Instance Convertible Standard
割引率 最大66% 最大72% 最大66% 最大72%
Amazon EC2の購入時に指定が必要なカテゴリ※1 リージョン
インスタンスファミリー
リージョン
インスタンスファミリー
インスタンスタイプ
テナンシー
OS
※2
利用料の選択方法 1時間あたりの利用料をユーザーが指定
稼働しているインスタンスの合計金額に割引適用
リストから選択
稼働しているインスタンスに割引適用
適用サービス Amazon EC2
AWS Fargate
AWS Lambda
Amazon EC2 Amazon EC2 Amazon EC2
Amazon RDS
Amazon Redshift
Amazon ElastiCache
Amazon Elasticsearch Service

※1 リザーブドインスタンスAmazon EC2以外を購入する場合には指定が必要なカテゴリが異なる
※2 リザーブドインスタンスのConvertibleは利用料の差額を払う形でインスタンスファミリー・タイプ、OS、テナンシーの変更が可能


AWSパートナーが提供する請求代行リセールサービスを使うことでも、AWSと直接契約するより費用が割引されて安くなります。<マンガでわかる>AWSリセールサービスの資料では、なぜAWS料金が安くなるのか?どんなメリットがあるのか?マンガでわかりやすくリセールサービスを解説しています。

リザーブドインスタンスとSavings Plans共通の仕様

契約期間は1年もしくは3年から選択

それぞれ、契約期間は、1年もしくは3年のどちらかです。3年間契約の場合、1年間契約よりも多くの割引が受けられます。ただし、購入後のキャンセルはできないため、長期的な利用計画を立てておきましょう。はじめて利用する場合には1年契約の方がリスクは少なくオススメです。

支払いパターンは3種類

支払いパターンは、「全て前払い・一部前払い・前払いなし」の3種類です。割引率は、「全て前払い」が最も高く、「一部前払い」「前払いなし」の順に低くなります。3種類の支払いパターンから自社に適した支払いパターンを選ぶことが可能です。

支払いパターン 割引率
全て前払い 高い
一部前払い 「全て前払い」より低い
前払いなし 低い

大幅に割引される

いずれも、オンデマンドインスタンスと比較した場合、最大で72%の割引を受けることが可能です。例えばリザーブドインスタンスの中でも一番割引率の低いスタンダードで1年の契約でも、東京リージョンで前払いなしでa1.xlargeを利用した場合、オンデマンドと比較して37%の削減が可能なため、少ないリスクでコスト削減が可能になります。

常時稼働しているインスタンスで活用するとリスクが少ない

いずれも利用料が割引になるお得なサービスですが、契約期間が長い分購入したインスタンスを使わなくなっても課金されるというリスクもあります。どのように活用すればリスクを少なく、割引を享受できるのでしょうか。

上図のように、AWSではアクセス数にあわせてインスタンス数の増減もできます。常時稼働しているインスタンスをリザーブドインスタンスやSavings plansに置き換え、ピーク時での増減分をオンデマンドインスタンスで賄うことにより少ないリスクで割引を享受できます。

AWS初心者必見!AWSをお得に利用するには?

<AWS料金の仕組みと支払い方法を解説>
AWS料金は使い方によって割安になる一方、高くなる場合もあります。AWS料金の仕組みを理解して、目的にあった使い方をすればコストを下げることができます。本資料では、基本的なAWS料金の仕組み、AWSの割引サービスをご紹介します!

リザーブドインスタンス(RI)とは?

AWSリザーブドインスタンス(RI)とは、先ほどもお伝えしたとおり、利用するインスタンスファミリー、インスタンスタイプなどスペックを決めて長期利用(1年or3年)をコミットすることで料金の割引を受けられるサービスです。

▼指定が必要な項目
リージョン、インスタンスファミリー、インスタンスタイプ、テナンシー、OS、アベイラビリティーゾーン

リザーブドインスタンスの料金はどのように適用されるか?

インスタンスファミリー、インスタンスタイプなどインスタンスのスペックを指定すると、その指定と合致するインスタンスがアカウント内に存在した場合に、自動的に割引が適用されます。例えば「t3.large 1台分の枠を1年間押さえる」というリザーブドインスタンスの契約をした場合、アカウント内にt3.largeのインスタンスが存在すると自動的に割引対象となります。なお、再作成などによりインスタンスIDが変わっても割引対象となります。

リザーブドインスタンス対象サービス

2022年9月現在、リザーブドインスタンス適用対象のサービスは以下6つとなりますが、サービスにより名称や仕様が異なります。

リザーブドインスタンス種類 対象サービス
リザーブドインスタンス Amazon EC2 /Amazon RDS /Amazon ElasticSearch Service
リザーブドキャッシュノード Amazon ElastiCach
リザーブドキャパシティ AmazonDynamoDB
リザーブドノード Amazon Redshift

ここでは、主にAmazon EC2の「リザーブドインスタンス」を中心に解説します。

リザーブドインスタンスの仕様と特徴

スタンダードとコンバーチブルのプランについて

Amazon EC2のリザーブドインスタンスには、以下のとおり2種類あり、契約年数により割引率が変わります。

種類 1年 3年 インスタンスファミリーの変更
スタンダード 40% 60% ×
コンバーディブル 31% 54% 〇【条件あり】
作成時の価格と同等以上のインスタンスファミリーに変更可

スタンダードは、別のインスタンスファミリーに変更することができません。ただし、割引率は高くなります。

コンバーティブルは、作成時の価格と同等以上のインスタンスファミリー、また、同じリージョンであれば、別のインスタンスファミリーに変更できます。スタンダードより、割引率は低いですが、ビジネスの状況に合わせて柔軟に変更することが可能となります。

リザーブドインスタンスの注意点

AWSリザーブドインスタンスを契約する場合、2つの注意点があります。

インスタンスを停止していても費用がかかる

リザーブドインスタンス対象のインスタンスが稼働していない場合でも、契約期間中は料金が請求されます。

柔軟性が無くなる

インスタンスファミリー、インスタンスタイプなどのスペックを指定して購入するため、指定タイプ以外のスペックへの変更ができなくなります。

また、指定には、リージョン、インスタンスファミリー、インスタンスタイプ、テナンシー、OS、アベイラビリティーゾーンが含まれます。これらを指定して購入するため、他のインスタンスやリージョンに対してAWSリザーブドインスタンスを適用したい場合、新規に購入する必要があります。

なお、先にご紹介したコンバーティブルタイプにする事で、インスタンスファミリーの変更ができますが、スペックダウンはできないので最初の段階で十分に検討が必要です。

リザーブドインスタンス料金の計算例

Amazon EC2 a1.xlarge 1台の場合

Amazon EC2 a1.xlarge 1台を3年契約で利用する場合、3年間にかかるコストは、約3,383ドルとなります。一方、リザーブドインスタンス(全額前払い3年)の場合、3年間にかかるコストは約1,269ドルです。

結果として、約3,383ドル – 約1,269ドル = 約2,100ドル(62%)の節約が可能です。

Savings Plansとは?

Savings Plansは、リザーブドインスタンスの後に発表された割引料金モデルです。Savings Plansは、ユーザーが対象サービスに対し1時間あたり支払う利用金額を決めて、長期利用(1年or3年)をコミットすることで安く利用できます。リザーブドインスタンスと同様、1年 もしくは 3年の利用を約束することで、最大72%の割引が受けられます。
ただ、利用できるサービスはリザーブドインスタンスと多少異なります。

Savings Plansの種類と対象サービス、料金適用のされ方

Savings Plansの対象サービスは、2022年9月時点でAmazon EC2とFargateおよびAWS Lambda、Amazon SageMakerです。また、Savings Plansのプランは、以下の3種類です。ここでは主にAmazon EC2でSavings Plansを利用する際の解説となります。

Savings Plans種類 対象サービス 内容/割引率
Compute Savings Plans Amazon EC2
AWS Fargate
AWS Lambda
最も柔軟性が高く、指定項目がなく、全リージョンのどのタイプのインスタンスでも時間あたりの利用料を割引。(最大66%)
EC2 Instance Savings Plans Amazon EC2 指定したリージョン、インスタンスファミリー内のインスタンスの時間あたりの合計利用額を割引。アベイラビリティーゾーン、インスタンスタイプ、OS、またはテナンシーは自由に選択可能。
(最大72%)
Amazon SageMaker Savings Plans SageMaker 時間あたりの利用額を割引(最大 64%)

※リザーブドインスタンスが対象としているRDS(Relational Database Service)、Redshift、ElastiCacheには適用されません。

Savings Plansの特徴

Savings Plansでは、アベイラビリティーゾーンの指定が不要、インスタンスタイプの指定が不要で、Compute Savings Plansを選ぶと、さらにリージョンやインスタンスファミリーの指定も不要になるなど、リザーブドインスタンスと比較して、高い柔軟性があります。またリザーブドインスタンスと異なり、指定したタイプのインスタンスのみではなく、対象サービスのインスタンスの合計金額に対しての適用となります。

Savings Plans 料金の計算例

Savings Plansに関して、Amazon EC2 a1.xlarge 1台を、3年間契約した場合を紹介します。

例) Amazon EC2 a1.xlarge 1台を3年間契約した場合のコスト
オンデマンドインスタンス 約3,383ドル
Savings Plansの場合(全額前払い3年) 約2,044ドル
リザーブドインスタンス(全額前払い3年) 約1,269ドル

上記の表では、Savings Plansよりもリザーブドインスタンスが安くなっています。しかし、先述したようにSavings Plansは柔軟性が高いため、初めて利用する場合にはリスクが少なくオススメとなります。

Savings Plansの注意点

途中で契約料金を増加できない

契約途中に1時間あたり支払う利用料金を増加することができません。契約料金を超えた場合はオンデマンドの費用が加算されます。

対象サービスの幅が狭い

リザーブドインスタンスが対象としているRDS(Relational Database Service)、Redshift、ElastiCacheには適用されません。

リザーブドインスタンスとSavings Plans共通の注意点

リザーブドインスタンスとSavings Plansを併用する場合の料金のかかり方

リザーブドインスタンスとSavings Plansを併用した場合には、適用される割引範囲のせまいリザーブドインスタンスがまず優先され、割引に無駄がでないようになっています。

自動更新されない

いずれも自動更新はされませんが、有効期限の通知機能をAWS Cost Explorerで設定できます。期限通知は当日、7日、30日、60日前を設定できます。

リザーブドインスタンスとSavings Plansの優秀性のまとめ

Savings Plan はリザーブドインスタンスより柔軟性があります。時間あたりの支払費用を指定すれば、全ての対象に割引料金が適用されます。初めて利用する場合は、システム構成が変わる場合も柔軟に対応できるので、その点がすぐれていると言えます。

リザーブドインスタンス にはいくつか制約があるものの、利用料金を削減できるメリットがあります。しっかりと管理できれば、大きなコストダウンを実現できるでしょう。また、Amazon RDS、ElasticSearch(OpenSearch)、DynamoDB、ElastiCache、DynamoDB、Redshiftなどのサービスにも対応しており、対応サービスがSavings Plansよりも広いことも優れています。


今回は、AWSの料金割引サービスのリザーブドインスタンス、Savings Plansについて概要や、比較を中心に解説しました。現在AWSでサーバ運用を行なっている場合は、2つの割引サービスの条件に合致するインスタンスのある可能性は大いにあります。本記事を参考に、リザーブドインスタンスおよびSavings Plansについてきちんと把握して、是非コストダウンを検討してみてください。

なお、当社、NHNテコラスでは無料のお申込みのみで、AWSの利用料金が定価より8%安くなる 請求代行リセールサービスをご用意しています。AWSご利用料がどれくらい安くなるかなど、個別にご提案もしておりますので、お気軽にご相談ください。

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