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AWSのコストを削減する方法(後編)

前回の「AWSのコストを削減する方法(前編)」ではビジネス的な観点から優先事項を整理し、AWSの利用状況を確認しました。今回の「AWSのコストを削減する方法(後編)」では前回確認したことを元に実際にAWSのコストを削減する方法を実行していきます。

連載「AWSのコストを削減する方法」

AWSのコストを削減する方法(前編)
▶AWSのコストを削減する方法(後編)

STEP3 AWSのコスト削減方法の実行

AWSのコスト削減の方法としては、「不要なリソースの停止」「海外リージョンやリザーブドキャパシティーの活用」「AWSへの最適化」の3つアプローチがあります。それぞれ対応工数や削減できるコストに違いがあるため、稼働しているシステムの内容や自社の状況にあわせて、実行する方法を選択し組み合わせましょう。

AWS環境上の不要なリソースの停止・削除

AWSの利用状況をチェックする中で使用していないインスタンスや開発環境があった場合には、停止や統合、または削除をしましょう。不要なインスタンスや開発環境は、使っているうちに増えていくことがあるので、定期的なチェックと整理をおすすめします。また、AWSが提供している以下のようなサービス・ツールを使い、無駄の少ない運用をすることもおすすめです。

  • AWS CloudFormation
    開発環境は、必要な時だけ起動し、不要な時には停止をすることで無駄なコストを削減することができます。しかし、開発環境を毎回構築するのが面倒と思う方も多いのではないでしょうか?そんな方におすすめのサービスがAWS CloudFormationです。AWS CloudFormationでは事前に設定をテキストファイルで保存をしておくことで、開発環境の構築を自動化することができます。

    AWS CloudFormation

  • Amazon CloudWatch
    STEP2でもご紹介したAmazon CloudWatchには、Lambdaと組み合わせることにより特定のタグを持つインスタンスを自動起動や停止を実行することができる「Amazon CloudWatch Events」という機能があります。

    Amazon CloudWatch

  • Auto scaling
    EC2のリソース使用率をモニタリングし、アクセスが集中した際に自動でEC2インスタンスを増やす機能です。アクセスが減った際には自動で減らすことも可能です。Auto scalingを活用することで、例えばピーク時に10インスタンス必要な場合には自動的に増え、ピークが過ぎれば自動的に減るため、EC2を常時10インスタンス起動しておく必要がありません。

    AWS Auto Scaling

海外リージョンを活用する

稼働しているシステムがレイテンシ(遅延時間)をさほど気にしない場合や、法律や社内規則上問題がない場合には、海外のリージョンを利用するのも一つの手です。例えばEC2のt3インスタンスでは、東京リージョンと比べて米国東部リージョン(バージニア北部)では24%もお得になる場合があります。ただし海外リージョンを利用する場合には、使えるサービスが限定されていることもあるため、事前に利用するリージョンでサービスが提供されているかの確認を行いましょう。

AWSの割引サービス リザーブドキャパシティーを活用する

引用元:AWSのコスト最適化入門

リザーブドキャパシティーとは、EC2やRDSなどAWSの一部のサービスで提供されている割引サービスです。使った分だけ利用料が発生するオンデマンドキャパシティーと異なり、1年、3年とキャパシティーを年間で予約することでディスカウントが適用されるものです。

EC2ではリザーブドインスタンスという名称でサービスが提供されています。常時稼働しているインスタンスにはリザーブドインスタンスを使用し、ピーク対応で増減するインスタンスにはオンデマンドインスタンスを使用するなどの使い分けを行うことで、コストを最適化することができます。

基本的には契約期間が長いものや前払いをするとディスカウント率が高くなります。しかしAWSでは、過去10年間に70回以上の値下げを行っていることや、毎年新しく、よりスペックの高いサービスが続々と発表されるため、契約期間は1年で購入される方が多いようです。ちなみに、スタンダードは購入時に指定したインスタンスタイプにのみ適用できるタイプで、コンバーティブルは差額を支払うことで購入後もインスタンスタイプの変更ができるタイプです。

EC2のリザーブドインスタンスについてよくある質問をいくつかご紹介します。

  • リザーブドインスタンスを適用するためにはインスタンスの再起動が必要?
    再起動は必要ありません。リザーブドインスタンスは割引の権利の購入なので、適用対象のオンデマンドインスタンスがあれば自動的に適用されます。3年利用する前提で購入して途中で適用インスタンスを削除した場合にも、他に同サイズのインスタンスを保有していればそちらに自動的に割引が適用されます。
  • 購入したリザーブドインスタンスをキャンセルしたい
    キャンセルはできません。リザーブドインスタンスを適用できるインスタンスがない場合にもリザーブドインスタンス分の課金は発生するため、注意が必要です。
  • リザーブドインスタンスを大量に購入したい
    AWSのサービス制限により、1ヶ月で購入できる上限が決まっています。上限以上の購入を希望する場合は上限緩和申請が必要となります。リザーブドインスタンスの上限の初期値は、アベイラビリティーゾーンごとに1ヶ月あたり20個です。
  • 購入したリザーブドインスタンスのインスタンスサイズを変更したい
    スタンダードはインスタンスサイズの変更はできませんが、コンバーティブルは差額費用を支払うことで異なるインスタンスサイズとの交換が可能です。

AWSへの最適化によるコスト削減方法

オンプレミスからAWSへシステム構成をほぼ変更せずに移行しそのままにしていた場合、削減できるコストは限られてしまいます。AWSのメリットを最大限に享受しコストの削減を効率よく行うためには、AWSへの最適化(クラウドネイティブ化)を行うことが重要です。

クラウドネイティブ化するメリット・デメリット

クラウドネイティブ化とは、クラウド上での利用を前提にシステムやサービスを設計・構築することです。クラウドネイティブ化することで運用負荷の軽減とAWSのコスト削減が可能ですが、すでにオンプレミスで稼働しているシステムをクラウドネイティブ化するためには、アプリケーションやシステムの移行、変更が必要です。システムの移行や改修にかかる工数やコストと、クラウドネイティブ化することで削減されるコストや運用負荷のバランスを考えることも大切です。

ストレージサービスの最適化

AWSには用途に合わせて利用できる複数のストレージサービスがあり、価格もそれぞれ異なります。データの種類や用途、利用頻度などに応じてストレージを使い分けることでコスト削減ができます。

また、Amazon S3では保存データのライフサイクルによって「有効期限アクション」か「移行アクション」を設定することで、コスト効率を高めることができます。例えば、保管期限が決まっているログファイルのようなデータに対しては有効期限アクションを利用すると、期限後に自動的に削除ができます。また、使用頻度の低いデータは移行アクションを利用することで、事前に指定したタイミングで安価なストレージクラスに自動的に変更ができます。これらのアクションを事前に設定しておくことで、AWS利用料の削減だけでなく、自動化により運用の負荷も軽減することができます。

データ転送量の最適化

従量課金で大きく影響がでるデータ転送量に関しては、モニタリングを行い、必要に応じてAmazon CloudFrontの活用をおすすめします。Amazon CloudFrontはコンテンツを効率よく、速く配信するための、CDN(コンテンツ デリバリー ネットワーク)のサービスで、データ転送量が多くなるにつれてボリュームディスカウントが適用されます。例えばコンテンツを先ほど紹介したストレージサービスのAmazon S3に保存し、同時にCloudFrontを活用することで、直接Amazon S3にユーザーをアクセスさせる場合よりもデータ転送量を安くすることができます。また、CloudFrontはフルマネージドのサービスなので、運用管理コストがかからないというメリットもあります。

新サービスを活用する

リザーブドインスタンスの項目でも少し触れましたが、AWSは毎年多くの新サービスを発表します。新しいサービスは、従来のサービスよりもスペックが高くて安いこともあるので、定期的にチェックすることをおすすめします。

AWSの利用料が割引になる AWS請求代行サービス

これまでご紹介した方法でAWSのコスト削減を行う以外にも、AWSのパートナー企業が提供するAWS請求代行サービスを利用するのも一つの手です。

NHN テコラスでは、初期費用・手数料が無料、AWS ビジネスサポート相当が無料で付帯し、AWS利用料が割引になる「AWSリセールサービス」をご提供しています。ご契約者は無料で利用できる管理ポータル「Chorus Portal」上でAWS Trusted Advisorのコスト最適化・セキュリティ・耐障害性・パフォーマンスなどのベストプラクティスに基づいたアドバイスを確認できます。

AWSリセールサービス

 

企業やシステムによってビジネス要件は様々、AWSのサービスも数多くあるため、コスト削減の方法は上記で紹介した方法だけではありません。また、AWSは新しいサービスや利用料が次々と発表されるため、コスト削減は1度で完了するものではなく、AWSを使い続ける限り定期的に見直していくことが大切です。自社内での定期的な見直しが難しい場合は、AWSのパートナー企業に相談することも一つの手です。

NHN テコラスはAWSリセールサービスをはじめとする、AWS活用支援サービス「C-Chorus」をご提供しています。AWSのコスト削減のことはもちろん、導入、移行から運用までなんでもご相談ください。

連載「AWSのコストを削減する方法」

AWSのコストを削減する方法(前編)
▶AWSのコストを削減する方法(後編)

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