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AWSの料金を削減する方法【2】削減のための5つのTIPS

前回の「AWSの料金を削減する方法 【1】AWS利用状況の把握」ではビジネス的な観点から優先事項を整理し、AWSの利用状況を確認しました。今回の「AWSの料金を削減する方法 【2】削減のための5つのTIPS」では前回確認したことを元に実際にAWSのコストを削減する方法を実行していきます。

連載「AWSの料金を削減する方法」

AWSの料金を削減する方法 【1】AWS利用状況の把握
▶AWSの料金を削減する方法 【2】削減のための5つのTIPS

STEP3 AWSの料金を削減するための5つの方法

AWSのコスト削減の方法としては、

  • 請求代行サービスの利用
  • 不要なリソースの停止
  • 海外リージョンの活用
  • リザーブドキャパシティーの活用
  • AWSへの最適化

の5つアプローチがあります。それぞれ対応工数や削減できるコストに違いがあるため、稼働しているシステムの内容や自社の状況にあわせて、実行する方法を選択し組み合わせましょう。

すぐにAWSの料金が割引になる AWS請求代行サービス

構成の変更などを行わずに手軽にAWSの利用料を削減したい場合には、AWSのパートナー企業が提供するAWS請求代行サービスを利用するのも一つの手です。

AWSの請求代行サービスとは?

AWSの支払い方法はクレジットカード払いと請求書払いの2通りがあります。しかし請求書払いの場合はAWS利用料が月額2,000ドル以上ある、支払いは米ドル決済かつ海外送金となるため、利用するハードルは高いです。日本では請求書払いを希望される企業も多いため、AWSのパートナー企業がAWSへの支払いを代行し、ユーザー企業に日本円・請求書払いで請求をする「請求代行サービス」を提供しています。

AWSの請求代行サービスのメリット

パートナー企業によって、請求代行サービスのサービス内容は異なります。支払いがパートナー企業経由になることで、パートナー企業で手数料を取る場合やAWSのサポート利用料が無料になるケース、複数企業の支払いをパートナー企業が行うことでAWSからのボリュームディスカウントが発生しAWS料金を割引で提供してくれるケースなど様々です。 AWSの料金を割引にしてくれるパートナー企業の請求代行サービスを利用すればAWSの契約移管を行うだけで料金を手軽に削減することができるため人気の高いサービスとなっています。 

AWS利用料が割り引きになる請求代行サービスを利用すれば、構成の変更は必要なく、契約先の移管だけで利用料が割り引きになります。最も手軽にコストを削減する方法となるためビジネス上の制約がない場合にはまず請求代行サービスを利用してコスト削減することをおすすめします。

AWS請求代行サービスの詳細

AWS環境上の不要なリソースの停止・削除

AWSの利用状況をチェックする中で使用していないインスタンスや開発環境があった場合には、停止や統合、または削除をしましょう。不要なインスタンスや開発環境は、使っているうちに増えていくことがあるので、定期的なチェックと整理をおすすめします。また、AWSが提供している以下のようなサービス・ツールを使い、無駄の少ない運用をすることもおすすめです。

Auto scaling

EC2のリソース使用率をモニタリングし、アクセスが集中した際に自動でEC2インスタンスを増やす機能です。アクセスが減った際には自動で減らすことも可能です。Auto scalingを活用することで、例えばピーク時に10インスタンス必要な場合には自動的に増え、ピークが過ぎれば自動的に減るため、EC2を常時10インスタンス起動しておく必要がありません。
AWS Auto Scaling

Amazon CloudWatch

STEP2でもご紹介したAmazon CloudWatchには、Lambdaと組み合わせることにより特定のタグを持つインスタンスを自動起動や停止を実行することができる「Amazon CloudWatch Events」という機能があります。
Amazon CloudWatch

AWS CloudFormation

開発環境は、必要な時だけ起動し、不要な時には停止をすることで無駄なコストを削減することができます。しかし、開発環境を毎回構築するのが面倒と思う方も多いのではないでしょうか?そんな方におすすめのサービスがAWS CloudFormationです。AWS CloudFormationでは事前に設定をテキストファイルで保存をしておくことで、開発環境の構築を自動化することができます。
AWS CloudFormation

海外リージョンを活用する

稼働しているシステムがレイテンシ(遅延時間)をさほど気にしない場合や、法律や社内規則上問題がない場合には、海外のリージョンを利用するのも一つの手です。例えばEC2のt3インスタンスでは、東京リージョンと比べて米国東部リージョン(バージニア北部)では24%もお得になる場合があります。ただし海外リージョンを利用する場合には、使えるサービスが限定されていることもあるため、事前に利用するリージョンでサービスが提供されているかの確認を行いましょう。

AWSの割引サービス リザーブドキャパシティー、Savings Plansを活用する

 

リザーブドキャパシティーとは、EC2やRDSなどAWSの一部のサービスで提供されている割引サービスです。使った分だけ料金が発生するオンデマンドキャパシティーと異なり、1年、3年とキャパシティーを年間で予約することでディスカウントが適用されるものです。購入するリザーブドインスタンスはリージョン、インスタンスファミリー、インスタンスタイプ、テナンシー、OS、アベイラビリティーゾーンの指定が必要となり、指定外のインスタンスでは割引が適用されません。

Savings Plansは、2019年11月に発表された新しい割引サービスです。Amazon EC2、Fargate、AWS Lambdaで利用できます。リザーブドインスタンスよりも指定が必要なカテゴリが少なく柔軟性が高いため、初めて割引サービスを利用する場合には、まずSavings Plansから利用することをおすすめします。

割引サービスの活用方法として、常時稼働しているインスタンスにはリザーブドインスタンス、Savings Plansを使用し、ピーク対応で増減するインスタンスにはオンデマンドインスタンスを使用するなどの使い分けを行うことで、コストを最適化することができます。

リザーブドインスタンス Amazon EC2 t3.mediumの割引き例

  スタンダード1年 スタンダード3年 コンバーティブル3年
前払いなし 37% 57% 50%
一部前払い 40% 60% 54%
全前払い 42% 62% 55%

基本的には契約期間が長いものや前払いをするとディスカウント率が高くなります。しかしAWSでは、過去10年間に70回以上の値下げを行っていることや、毎年新しく、よりスペックの高いサービスが続々と発表されるため、契約期間は1年で購入される方が多いようです。ちなみに、スタンダードは購入時に指定したインスタンスタイプにのみ適用できるタイプで、コンバーティブルは差額を支払うことで購入後もインスタンスタイプの変更ができるタイプです。

EC2のリザーブドインスタンスについてよくある質問をいくつかご紹介します。

リザーブドインスタンスを適用するためにはインスタンスの再起動が必要?

再起動は必要ありません。リザーブドインスタンスは割引の権利の購入なので、適用対象のオンデマンドインスタンスがあれば自動的に適用されます。3年利用する前提で購入して途中で適用インスタンスを削除した場合にも、他に同サイズのインスタンスを保有していればそちらに自動的に割引が適用されます。

購入したリザーブドインスタンスをキャンセルしたい

キャンセルはできません。リザーブドインスタンスを適用できるインスタンスがない場合にもリザーブドインスタンス分の課金は発生するため、注意が必要です。

リザーブドインスタンスを大量に購入したい

AWSのサービス制限により、1ヶ月で購入できる上限が決まっています。上限以上の購入を希望する場合は上限緩和申請が必要となります。リザーブドインスタンスの上限の初期値は、アベイラビリティーゾーンごとに1ヶ月あたり20個です。

購入したリザーブドインスタンスのインスタンスサイズを変更したい

スタンダードはインスタンスサイズの変更はできませんが、コンバーティブルは差額費用を支払うことで異なるインスタンスサイズとの交換が可能です。

AWSへの最適化によるコスト削減方法

オンプレミスからAWSへシステム構成をほぼ変更せずに移行しそのままにしていた場合、削減できるコストは限られてしまいます。AWSのメリットを最大限に享受しコストの削減を効率よく行うためには、AWSへの最適化(クラウドネイティブ化)を行うことが重要です。

クラウドネイティブ化するメリット・デメリット

クラウドネイティブ化とは、クラウド上での利用を前提にシステムやサービスを設計・構築することです。クラウドネイティブ化することで運用負荷の軽減とAWSのコスト削減が可能ですが、すでにオンプレミスで稼働しているシステムをクラウドネイティブ化するためには、アプリケーションやシステムの移行、変更が必要です。システムの移行や改修にかかる工数やコストと、クラウドネイティブ化することで削減されるコストや運用負荷のバランスを考えることも大切です。

ストレージサービスの最適化

AWSには用途に合わせて利用できる複数のストレージサービスがあり、価格もそれぞれ異なります。データの種類や用途、利用頻度などに応じてストレージを使い分けることでコスト削減ができます。

Amazon EBS

Amazon EC2の外部ストレージデバイスに相当するため、アプリケーションからのアクセス頻度の高いデータを格納

  • 不要になったデータは都度削除
  • 容量制限があるため、容量の大きいものはS3に保存

Amazon S3

大容量データのバックアップやメディアコンテンツファイルの保存向けの安価なストレージ

  • 保存内容に応じてストレージクラスを分ける
  • 自動的に3箇所に保存する必要がなければ1箇所に変更

また、Amazon S3では保存データのライフサイクルによって「有効期限アクション」か「移行アクション」を設定することで、コスト効率を高めることができます。例えば、保管期限が決まっているログファイルのようなデータに対しては有効期限アクションを利用すると、期限後に自動的に削除ができます。また、使用頻度の低いデータは移行アクションを利用することで、事前に指定したタイミングで安価なストレージクラスに自動的に変更ができます。これらのアクションを事前に設定しておくことで、AWS料金の削減だけでなく、自動化により運用の負荷も軽減することができます。

Amazon S3 Glacier

アクセス頻度の低いデータの長期バックアップ用の激安ストレージ

  • 保存は安価だが、データの取り出し料金が割高かつ時間がかかる

データ転送量の最適化

従量課金で大きく影響がでるデータ転送量に関しては、モニタリングを行い、必要に応じてAmazon CloudFrontの活用をおすすめします。Amazon CloudFrontはコンテンツを効率よく、速く配信するための、CDN(コンテンツ デリバリー ネットワーク)のサービスで、データ転送量が多くなるにつれてボリュームディスカウントが適用されます。例えばコンテンツを先ほど紹介したストレージサービスのAmazon S3に保存し、同時にCloudFrontを活用することで、直接Amazon S3にユーザーをアクセスさせる場合よりもデータ転送量を安くすることができます。また、CloudFrontはフルマネージドのサービスなので、運用管理コストがかからないというメリットもあります。

新サービスを活用する

リザーブドインスタンスの項目でも少し触れましたが、AWSは毎年多くの新サービスを発表します。新しいサービスは、従来のサービスよりもスペックが高くて安いこともあるので、定期的にチェックすることをおすすめします。

今回は5つのTIPSを紹介しましたが、企業やシステムによってビジネス要件は様々、AWSのサービスも数多くあるため、コスト削減の方法は上記で紹介した方法だけではありません。また、AWSは新しいサービスや利用料が次々と発表されるため、コスト削減は1度で完了するものではなく、AWSを使い続ける限り定期的に見直していくことが大切です。自社内での定期的な見直しが難しい場合は、AWSのパートナー企業に相談することも一つの手です。

連載「AWSの料金を削減する方法」

AWSの料金を削減する方法 【1】AWS利用状況の把握
▶AWSの料金を削減する方法 【2】削減のための5つのTIPS

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