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卸売り・小売業が抱える、余剰在庫の問題を解決した秘策とは?

卸売り、小売業が抱える余剰在庫の問題

酒類の卸売りを行っているH社は、在庫量が常に多すぎることを課題に感じていました。H社は基本的に販売先から注文を受けた数を元に仕入れを行いますが、一般の消費者が催事のために大量購入をしに来店する、ということも少なくありません。また、卸売業という性質上、在庫を切らさないことが最優先であり、常にいくらか在庫は持っておきたいと考えます。そのような状態で管理し続けた結果、H社はいつの間にか適切であるといえないほどの在庫量を抱えてしまっていました。
H社はこの件について課題意識はあるものの、どこから着手すればいいか分からない状態でした。社長はこの課題を経理部のNさんに解決するよう依頼し、Nさんは今までの仕入れデータ、購買による在庫データを活用して在庫量を適切にすることはできないかと考えました。しかし社内にデータの扱いに長けた人はおらず、社外のデータ分析サービスを活用することにしました。

粗利額とKPIの関係を分析

データサイエンティストが分析を行い、まずは現在運用しているKPIである値入り率と、それぞれの品目における粗利額との関係性を調べました。
値入り率とは、商品の販売価格と仕入れ原価の差額に対する販売価格の比率をいいます。品種ごとに値入り率と粗利額の相関係数を導出したところ、相関は低いことが判明しました。そこで新たに代わりとなるKPIを開発することにしました。
さまざまな指標を試してみた結果、粗利率と高い相関を示したのは在庫回転率でした。在庫回転率を新KPIとして、在庫回転率を改善すれば粗利率も改善される可能性が高いことが明らかになりました。過去3年の売上データから、時期による売上傾向を分析し、それぞれの品目における適切な在庫量を分析から導出することができました。その結果を利用し、H社では日によっての最適な在庫量を保てるように仕入れ、在庫量の調整を行うPoCが開始しました。

新たにKPIを開発し、在庫量を適切化

これまでは大量に仕入れ、常に在庫が過剰にある状態を保っていましたが、仕入れのためのロジックを開発し、必要量だけを仕入れることで在庫量をコントロールできるようになりました。3ヶ月このロジックで運用したところ、在庫回転率を概ね適切な範囲にコントロールでき、結果粗利率が3%上がりました。利益額と高い相関のある新KPIが開発でき、今後の業務に活用できる見込みです。本分析はExcelで行いましたが、この先、運用を続けて問題がなければ、AWS上でリアルタイムに在庫を把握し、BIツールで可視化・分析を行います。更に、適切な仕入れ量を提示できるシステムの開発も行い、これまで担当者のスキルに属人化されていた仕入れ作業をだれでもできるように業務改善する予定です。

導入後の効果

  • 従来のKPIを見直し、分析により新たなKPIを設定することで適切な在庫量を保てるようになった
  • 在庫量を調整し、余剰在庫を減少させることで粗利率の改善につながった

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