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AWSに移行した環境の最適化のススメ【2】AWS最適化の進め方

AWSへの移行と移行後の運用のポイントを解説する「AWSに移行した環境の最適化のススメ」の連載です。前回の「AWS移行と運用の考え方」では、AWSへの移行戦略から運用する上で考慮しなければならないポイントをご紹介しました。
今回の「AWS最適化の進め方」では、AWSを最大限に活用するための最適化の進め方について解説します。

連載「AWSに移行した環境の最適化のススメ」

【1】 AWS移行と運用の考え方
  ▶【2】 AWS最適化の進め方
【3】 AWS最適化の具体例

AWS移行(リフト)後の障害対応範囲

AWSでは主要なサービスおいて、個別にSLAを設定しています。中でもよく使われるサービスであるEC2では、2018年2月12日現在99.0%以上99.99%未満であれば10%、99.0%未満の場合は30%のサービスクレジット(返金)が定義されています。ただしSLAには以下のとおり「例外となるケース」も定められています。

(i)AWS契約第 6.1 項に定めるサービス停止の結果である場合
(ii)不可抗力、対象製品およびサービスの責任分界点の範囲外のインターネットアクセスまたは関連する問題を含む、アマゾンの合理的な支配の及ばない要因により生じたものである場合
(iii)回復ボリュームを認識することを怠った場合を含む、サービス利用者または第三者の作為もしくは不作為の結果である場合
(iv)サービス利用者の機器、ソフトウェアもしくはその他の技術、および/または第三者の機器、ソフトウェアもしくはその他の技術(アマゾンの直接支配の範囲にある第三者の機器を除く)により生じたものである場合
(v)地域(Region)使用不能に帰因するものでない、個別のインスタンスまたはボリュームの障害の結果生じたものである場合
(vi)AWS 契約に従って規定されるメンテナンスの結果生じたものである場合、または
(vii)AWS契約に従って対象製品およびサービスを利用するサービス利用者の権利をアマゾンが停止もしくは終了させた結果である場合

引用元:Amazon EC2 サービスレベルアグリーメント

上記の中で特に注目するべき点としては、(ii)(v)(vi)の3点です。簡単に言うと、AWSが直接的な要因でない場合、リージョン単位以外の障害である場合、AWSのメンテナンスによって生じた障害である場合は返金対象にならないと定められています。つまり、OSより上のレイヤーに起因する障害や、インスタンス障害、アベイラビリティゾーンの障害、計画メンテナンスによる意図しない再起動などはSLAの対象外となるのです。
そのためAWS移行後もこれらの障害が発生することを前提とした設計・運用を行う必要があります。

AWSでのインフラ運用を考慮した設計

前回も解説したとおりITインフラの運用は、「障害の対策」と「コスト」のトレードオフの妥協点を探ることが重要です。これは、オンプレミスと同様にAWSを利用する上でも考えなければならないポイントとなります。ただ、オンプレミスと異なる点として、AWSは障害発生時の影響範囲を減らすために多種多様な機能(選択肢)を提供しています。
ではAWSにおいて、トレードオフの妥協点はどのように考えるのがよいのでしょうか?
トレードオフの妥協点を考える上で参考にしたいものとして「AWS Well-Architected フレームワーク」があります。
AWS Well-Architected フレームワークとは、AWSが様々なAWSユーザーのアーキテクチャ設計や検証を元に作成した、AWS活用のベストプラクティス集です。フレームワークでは、ソリューションのアーキテクチャを設計する際に、ビジネスのコンテキストに基づいて、「運用上の優秀性」「セキュリティ」「信頼性」「パフォーマンス効率」「コスト最適化」の5つの柱の間でトレードオフを行うと記載されています。
参考:AWS Well-Architected フレームワークについてのホワイトペーパー

重要なことは「最適化の継続」

ここでポイントとなることは、ビジネスの要件は一定ではないということです。ビジネスの成長にあわせて要件が変化すれば、それに伴いトレードオフの妥協点も変化します。
また、AWSからも続々と新サービスや新機能が追加されており、障害対応のための選択肢も日々増え続けています。
つまり永続的に「最適」な状況は存在しません。最初から「最適」であることを追求する必要はないとも言えるでしょう。
重要なことは「最適化(シフト)を継続する」ことであり、これはAWSのベストプラクティスの考え方からも言えるのではないでしょうか。

最適化の継続とは?

では「最適化を継続する」こととは、具体的にどのようなことを実践する必要があるのでしょうか。
一つの解として、新しいサービスや機能を評価・導入し続けるということが言えます。
この「新しいサービス」とは、「最先端のサービス」の導入を検討するのではなく、「自社が未評価のサービス」を評価・導入し続けることです。
ビジネス要件の変化やトレードオフで残った課題点を注視し続けながら、未評価のサービスをどんどん評価して取り込んでいく。このサイクルを回し続けることが「最適化を継続する」ことと言えるでしょう。

次回は、「最適化の継続」の具体例を交えつつ、より詳細に解説します。

連載「AWSに移行した環境の最適化のススメ」

【1】 AWS移行と運用の考え方
  ▶【2】 AWS最適化の進め方
AWS最適化の具体例

※本記事の内容につきましては2019年1月時点での情報です。

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